長崎の果てにある産業の遺跡。島であるが故廃棄され、島であるが故保存された故郷。 逆バンクの防波壁に守られた要塞も、台風の直撃によって壊滅的な打撃を受けた。 大型台風が直撃する時、この島全体が波で洗われたという。人が住んでいた時から。 破壊された防壁が修復されている。 この部分には新しい鉄扉がとりつけられた。 有名な階段。上陸ポイントによっては、ここを最初に目にすることになる。 これも定番の団地写真。一応お約束なので撮影。 島の一番高い所にいる神様。台風で外壁が破壊されたが、本体は残った。 昔、香港に九龍城と呼ばれたビル乱立地域があったが、それ以上の密度とカオスだった。 材木は吹き飛ばされ、コンクリートは崩落する。そして若木は伸びる。 密集する集合住宅の窓側の木枠などが全て落ち、中庭に積み重なる。 高い所にあるほど、上階であるほど、島内での身分が高かったという。その意味がわかる。 サッシがなかった時代では、窓のガラスは風が吹くとガタガタ鳴った。 縦横無尽とはこのことか。巨大ジャングルジム。 材木と煉瓦とコンクリート。鉄筋コンクリート初の遺跡。 軽々と防波壁を越える波に洗われ、薙ぎ倒され、侵食される。 地面の上から下から侵食される。そして各時代の地面の断層が現れる。 トロッコの線路は錆の棒となって途中で切断。 鉄骨だけ残って他は洗い流された。島ごと洗濯できて画期的だが耐久力に問題があった。 日本にこれほど古い鉄筋コンクリはない。研究者の格好のサンプルとなる。 この島のサンプルが未来の建築素材の耐久力に貢献する。 廃墟と遺跡には、実は差はないのかもしれない。 また、遺跡とは建造物の固い部分が残ったものを指すのかもしれない。 この島で実感したことは、コンクリやレンガよりも石材の方が原型を留めやすいということ。 学校の渡り廊下は空中高く、また支える柱もないまま浮遊する。 海水が入り込み、体育館の下に池を作る。コンクリの柱が危なげに支える。 しかしその柱も危機を迎えている。 コンクリの欠点は耐久力よりも経年で汚く燻む点にある。煉瓦との発色の違い。 もしこれが完成品だとしたら、その目的は割れガラス見本市だ。 元々窓があったところに大穴が空く。二重の穴が時空の壁をも破る。確かにここは異次元。 レントゲン室も昔は立派な名前がついていた。カタカナは便利だが重厚さに欠ける。 元住民の詩心と懐古が炸裂する。 壁面心情筆記とはかくあるべき。「参上」や「連合」は野暮。先人に習うべきところは習え。 魚雷を喰らっても台風に襲われても、海上に浮かぶ過去の棲家。
写真&コメント:pcfx |
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